大胸筋はプッシュアップ、ベンチプレス、チェストプレス。
広背筋はラットプルダウン、チンニング、ベントオーバーロウ。
よくやりますよね、いずれもジムで筋トレするならおなじみの種目になります。
問題がある
大胸筋も広背筋も筋トレでよく鍛える部位ですし、鍛えやすい部位です。
ただこの筋肉達を鍛えていくとどうしても猫背になりやすくなってしまいます。
せっかく鍛えてカッコイイ体を作っているのに姿勢が悪ければ台無しです。
猫背になる?
本来なら押す種目の大胸筋と引く種目の広背筋は反対の動きだから両方の筋肉を鍛えておけば姿勢が崩れることはないんじゃないのかと考えるのが自然だと思います。ぼくはそう考えてました。
実は大胸筋と広背筋の作用に原因があります。
大胸筋の作用
肩関節 水平内転 内転 内旋 屈曲 呼気の補助
広背筋の作用
肩関節 伸展 内転 水平外転 内旋
注目して欲しいのは内旋の作用が重複していることです。
どちらも反対の作用をしそうな筋肉なのに内旋の作用は同じなんです。
しかもこの二つの筋肉は肩関節内旋の貢献度が2位と3位です。ちなみに1位は肩甲下筋です。
肩関節の内旋が猫背を招く
少し体を使って実験してみます。
姿勢を正した状態で腕を内にひねってみたり(内旋)外にひねって(外旋)みるとで背中がまるまったり胸が開いたりするかと思います。
内旋(内にひねる)動きは背中を丸めて猫背の姿勢を作ります。そのため内旋の筋肉ばかりを発達させるのは良くないんです。
内旋の方が圧倒的に有利
しかし、困ったことがあります。そもそも内旋と外旋で働く筋肉の量が全然違うんです。
内旋の筋肉の体積合計
2040cm^3
※三角筋(前部線維を三角筋全体の1/3として計算)、大胸筋、広背筋、肩甲下筋、大円筋の筋体積の合計
外旋の筋肉の体積合計
617cm^3
※三角筋(後部線維を三角筋全体の1/3として計算)、棘下筋、棘上筋、小円筋の筋体積の合計
内旋と外旋の筋肉の差はおよそ3倍強あります。
筋肉の体積がそのまま動きに貢献するわけではないですが、いかに内旋と外旋では関わる筋肉の量自体に大きな差があるんです。
外旋は個別で集中トレーニング
ここまで長々とお伝えしてきましたが、要するに伝えたいのは外旋のための筋肉も忘れないでねということです。
一番簡単な方法はイスに座って両肘を90°に曲げた状態でお腹につけます。そのままチューブを両手に握って肘をお腹につけて90°に曲げたまま腕を外に開きます。
これを15回3セット行います。チューブの強さは適度に調整してください。
このトレーニングを行うと体幹を伸展(体が反り返る)してしまう方が多いのですが、体幹は固定したまま肘を軸に腕のみを動かします。
地味です。
すごく地味ですが大事なトレーニングです。
これで内旋だけが強くなって猫背になるのを防げます。
まとめ
どんなトレーニングも万能ではありません。
これさえやっとけば大丈夫というメニューはないです。
状況に合わせてアレンジしたり、見直ししていくのが効果的に体に変化を出すことに繋がります。
大胸筋と広背筋のトレーニングの組み合わせはよくやりますが、カバーしきれない動きがあるのでそこは個別にトレーニングして補強してあげてください。
筋肉の作用を覚えながら筋トレのメニューを組むとパズルみたいで今までより一層筋トレが面白くなります。
知るほど地味なトレーニング大切さを実感します。