歩行は日常生活で必ず必要になる動作の一つです、しかしこの歩行が正しくできてる人はほとんどいないように感じます。(少なくとも僕の周りでは)
そんな歩行でも特に個人差がでやすいのが上半身です。以前腕を大きく振ることが姿勢にも歩行にも良い影響を与えることを書いたので興味のある方は是非読んでみてください。
今回は内容が少し複雑な歩行分析について「あるくときの上半身の仕事」に焦点をあてて紹介していきたいと思います。
この記事を読み切ると歩行における上半身の役割について直感的に理解できるようになっていると思います。
歩くときに上半身はなんの仕事してるの?
歩行を考えるときに上半身は荷物として考えます、下半身はそれを台車として考えます。下半身が上半身を載せて運んでいくイメージですね。骨盤が荷物と車輪を繋ぐ荷台になります。荷物の上半身をパッセンジャー、運ぶ下半身のことをロコモーターと言います。パッセンジャー(passenger)とロコモーター(locomotor)はそれぞれ訳すと旅客と移動するものという意味になります

具体的には頭、腕、胴体が荷物になります。この荷物のことを歩行分析ではそれぞれのパーツの頭文字をとってHATと言います。頭=head、腕=arm、胴体truk、でHATです。
歩行分析では上半身のことをパッセンジャーともいうし、HATともいいます。いずれにせよ上半身のことを指しています
パッセンジャーが荷物なら考えなくていいのかというとそんなことはありません。荷物にも運びやすい荷物と運びにくい荷物があります。
もちろん運びやすい荷物の方がいいのですが、運びにくい荷物は歩行に悪影響を及ぼします。
仮に荷物が偏ってたとしましょう。
恐らく図のように不安定になってしまうと思います。

パッセンジャーが真ん中に乗ってて真っ直ぐならいいかというとその通りです!でもそれだけでは不十分です。
荷物はそれがどんな荷物かも大事です。
硬さや、重さも歩行に影響を及ぼします。
図の例だと右のイラストは上半身を支える筋肉がなくて歩く旅にクネンクネン動いてしまって不安定です。

こっちの図だと重すぎて歩くのが大変そうですよね。
荷物がフニャフニャしてたり、重すぎると運びにくいわけです。実際の体でいうと筋肉がなかったり、重いカバンをもっていたり、脂肪がつきすぎてることがこの例にあたります。
いかに筋肉をつけることが大事で余分な重りを持たないかが正常な歩行をするときの大切なポイントになります。
歩行分析での上半身まとめ
- 上半身(パッセンジャー)は下半身(ロコモーター)に運ばれる荷物として考える。
- 荷物は形、位置が大事、偏っていると歩行に悪影響。真っ直ぐで真ん中に載っているのが理想。
- 荷物の状態も大事、筋肉少ないと支えられず歩くたびにふにゃふにゃしてしまったり、重すぎて下半身に無理な負荷がかかって正常な歩行ができなくなる。
結論
歩行分析では主に下半身の動きをみるが上半身も歩行に影響を与えるので、歩行を考えるときは必ず上半身もみるように視野に入れた方がいい!
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参考文献
CiNii:腕振りの有無が連続歩行での下肢筋活動に及ぼす影響