体を正面か後ろから見たときに左右で位置が違うことはないでしょうか?もしくはそういう人に会ったことはないでしょうか?
体の仕事をしているとそういう人たちにたくさん会います、意識しているから会う機会が多いのかもしれませんが。
そうすると左右の差がひどいときや左右差があることが症状の原因になってると判断した時はなんとかしようとするわけです。
なぜ左右で違うんだ?ということを考えるときに今回紹介するラテラルラインを少しでも知っておくと、どこが問題に関係しているのかをたくさんの選択肢のなかから検討できるようになります。
特に骨盤や肩の高さのズレ、背骨が横に曲がっているときにはラテラルラインを参考に考えるとシンプルに考えやすいです。
体のお仕事をしてる方、自分の左右差が気になる方、アナトミートレインが気になってる方は是非読んでみてください。きっとあなたの役に立ちます。
アナトミートレインてなに?
アナトミートレインについてしっかり解説するととてもこの記事だけだとたりません。僕自身改めて「アナトミートレインてなんなの?」と聞かれると言葉につまります。
僕なりの簡単な解釈だと筋肉、筋膜、靭帯を線路、骨を駅に見立てて体全身に線路を敷いたのがアナトミートレインです。
体の後ろを走るのがスーパーフィシャルバックライン(SBL)、前面を走るのがスーパーフィシャルフロントライン(SFL)、側面を走るのがラテラルライン(LL)です。
ラテラルラインとは?
LLの機能は、姿勢の前後のバランスを取り、両側で左右のバランスを取ることでである。
簡単にいえば体の側面についてる筋肉と筋膜がラテラルラインで、横の動きをコントロールしています。

例えばおじいちゃんが歩いていてそのおじいちゃんの上半身が横に揺れていると本来横の動きを制御するはずのラテラルラインに何か異常が起きてると考えられます。あとは片足で立ったときに腰が横にズレてしまう人もラテラルラインに問題があるかもしれません。
ラテラルラインの筋肉、筋膜
片方の肩だけが上がってしまっていたり、歩くときに腰が横にズレしまうなどの横の動きに関係する問題があるなら以下の表が参考になります。

引用:アナトミー・トレイン [Web動画付] 第3版: 徒手運動療法のための筋筋膜経線
例:腰が横にズレやすい人
腰が横にズレやすいな大臀筋や中殿筋の筋力不足かもしれないし、もっと下の腓骨筋の短縮が原因かもしれません。それがきっかけで腸脛靭帯炎を起こすかもしれません。このようなケースはよくあることだと思います。
ラテラルラインのどこかに問題があればその原因もラテラルライン上にあるかもしれないんです。
そんなときに上の表を参考にすれば考えるヒントをくれます。
アナトミートレインを知ると一つの問題に対して原因を考えるときに選択肢を増やしてくれます。そしてどのように解決していったらいいかのヒントをくれます。
ラテラルライン以外の便利なライン
ラテラルラインはトレーナーの仕事をしているとよくお世話になります。でもそれと同じくらいよく使うラインがあります。
体の正面を走るフロントライン、後ろを走るバックライン、回旋の動きに沿って走るスパイラルライン。頭から腕までのアームライン。この3つのラインも今回紹介ラテラルラインと同様によく使うラインです。
もし、興味があったら調べてみてください。
ラテラルラインはこんな筋肉を使う
ラテラルラインに関係する体の部位は頭部、体幹と下肢です。腕を除いた残りをラテラルラインが走行します。
ラテラルラインの動きに関係するのは
- 頚椎の側屈
- 体幹の側屈
- 体幹の側屈
- 股関節の内転・外転
- 膝関節の内反・外反
- 足関節の内反・外反
です。
ラテラルラインに関係する関節の動きと筋肉(機能解剖)をささっと確認するならこちら↓
もし、ラテラルラインを現場で使うのであればラテラルラインに関係する筋肉とその動きを知っておく必要があります。
ラテラルラインとぶら下がり
ちなみにラテラルラインはぶら下がると全体的にストレッチされます。もしラテラルラインに問題がありそうなときはとりあえずぶら下がっておくのもありです。
アナトミートレインも解剖学が大事
結局基本が大事だという話になってしまうのですが、アナトミートレインも基本的な解剖の知識がないと活用できないですし、そもそもなにを言ってるのかわかりません。
でも基礎をしっかり学んでからアナトミートレインを知るとこれほど体の勉強が楽しいと感じることはないというくらい体の知識にのめり込みます。
あまり体の勉強にハマりたくない人にはオススメしません笑
今まで一生懸命に解剖を学んできたなら是非一度アナトミートレインに手を出してみてください、とってもオススメです!
参考書籍