体の仕事をしていると頻繁に登場する腸脛靭帯。しかも体の問題にリンクしてることも多く、重要度の高い部位です(結局最後はどの部位も大事となるのですが、、、)
僕もまだまだ勉強中なので限られたことしかわかりませんが腸脛靭帯について今まで学んできたことまとめていきます。
これから腸脛靭帯について学ぼうとしてる方のお役に立てれば幸いです。
腸脛靭帯って?
腸脛靭帯は英語でiliotibial bandといいます。略してITBと表記することが多いです。

腸脛靭帯は大腿筋膜から脛骨の外側顆についています。
腸脛靭帯自体は靭帯なので収縮することはないのですが大腿筋膜張筋と繋がっているので作用は大腿筋膜張筋に依存します(一部大臀筋とも繋がっています)

大腿筋膜張筋の作用は股関節の内旋・外転です。腸脛靭帯が緊張すると股関節の内旋・外転方向に力が入ります。腸脛靭帯だけの作用だと下腿の外旋があります。
筋力は筋肉が縮む力だけじゃない
関節を動かすのは筋肉ですが、支えているのは筋肉だけではありません。
筋膜も関節の動きで力を発揮します。特に可動域の限界の角度で発揮されます。ボールをオーバーハンドで投げるときに腕を後ろに引きますが限界まで後ろに引くと肩の靭帯が緊張します、そうやって肩の関節外れないように保護してくれます。
アキレス腱も瞬間的に引き伸ばされると緊張します、しかもバネのように縮む力があるので一回引き伸ばしてから縮めると大きな力を得ることがでいます。高くジャンプしようとしたときにかがんでからジャンプした方が高く飛べるのはアキレス腱の戻る力を利用しているからです。
腸脛靭帯も体を支えるために筋肉の代わりをしてくれます。下記の片足立ちも例の一つです。
日常生活でよくやるこんな姿勢で負担かかってる
歩いてるときや立ってるときに片方の足に体重を乗せていませんか?体育でいう休めの姿勢です。
片足に体重を乗せてしまうと骨盤が横にズレます。そうすると「これ以上骨盤をズラしてはいけない!元の位置に戻そう!」と腸脛靭帯が頑張って支えようとします。

しかし腸脛靭帯は筋肉ではなく靭帯なので基本的に伸びません(縮みもしません)要するに動かないんです。
そのため腸脛靭帯を突っ張らせておけば他の筋肉を使わなくても楽に立ってられるんです。でもそれがクセになってしまうと本来使われるべき筋肉が使われなくなってしまいます、それに腸脛靭帯に頼った立ち方・歩き方しかできなくなってしまいます。そうなるともう悪循環です。腸脛靭帯を使いすぎるとその下にある筋肉とこすれて炎症が起きてしまったり、癒着をして動かなくなってしまうことがあります。
歩くときにお尻を振るような歩き方をしてたり、しゃがむときにヒザが内側に入る人は要注意です。
圧力を高めて筋力アップしてくれてる
実は腸脛靭帯自身が引っ張らなくても腸脛靭帯を使って体を支える力を発揮することができます。
上方からの外転筋と下方から外側広筋の水圧増幅器によって維持・増強される腸脛靭帯シート上の緊張は、体重が一方の肢にかかる場合に、大腿骨頭が寛骨臼に保持されるように支える。
張脛靭帯を緊張させるとモモの筋肉の圧迫して筋力をあげるんです。風船も圧力が高くなるとパンパンに張りますよね、そんなイメージです。

圧力を上げるのにはデメリットもある
張脛靭帯は外側広筋という筋肉の真上を走行しています。そのため腸脛靭帯で筋肉を圧迫し続けていると下にある外側広筋とこすれてくっついてしまうことがあります。
腸脛靭帯は予備動力
腸脛靭帯は下半身の力が足りないときに非常に頼れる靭帯です。
しかしそれあくまで予備の時に使うものです、普段から腸脛靭帯に頼った体の使い方をしているとあるとき限界を迎える時がきます。どの靭帯もそうですが、筋肉で支えきれないときの最後の砦が靭帯です。できるだけ靭帯に頼らない体の使い方をしないといつか痛みとなってかえってきます。
筋肉を使って歩いて、立つという基本的な動作も意外とできないものです、日常の動作を意識してみてもいかもしれません。
参考書籍